「ところで、まどかちゃんはどーしたのよ?」
「まどかはニューオリンズへ行ってるよ。エフエム局の取材だってさ」
「あー!。あの番組でしょ!。あたし毎回聴いてるよ。現役女子大生と渋めのジャズっていう組み合わせが新鮮なのよね。それに、何と言っても、曲間に入るまどかちゃんの朗読が、エッチっぽくって、クルのよぉ〜」
「クルって、…あのねぇ」
「何か、ベッドの中でこう、“しちゃった後の気だるさ”ってゆーかぁ」
「お、おいおい」
「恭介ぇ〜、どうなのよ?。まどかちゃん、あーゆー感じなの?」
「ぶほぅっ!。ごほっ、ごほっ。し、知りません…」
コーヒー勿体なや。知らないと答えつつ、記憶の録音テープを頭出しする春日恭介である。青年かくあるべし、んなわけない。
「アハハ、でもぉ、マルチ人間よねぇ、まどかちゃん。自然科学に芸術、スポーツ万能、なんでもこいね。さすが、あたしが憧れた人だわぁー、ステキ!。…の・ん・きに構えていていーの、かな?」
「ん?。ああ、…気にはなってる。うん。本当は一緒に付いて行っちゃいたいくらい、気になってるんだ」
「へぇーーーーー」
「なんだよ?」
「愛し合ってると、こうも、人間は変わるものなんだなぁ、と思ったのよ」
「そう、思う?」
「…………あー、やめやめ!。終わり!。この話は終了!。のろけ話は鏡に向かってやってちょーだい!」
「なはははは………はは…………」
。「ん?。何よ、急にくっら〜いオーラ出しちゃってさ。あ!恭介、何かやらかしたんでしょ?。言ってみなさいよ。ホラ」
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