恭介:「たっだいまぁ〜。合格、合格〜。るんるん〜。…ん?。どーしたんだよ。みんな何、疲れ切ってるんだ?」
あかね:「アンタ…ねぇ…」
くるみ:「あかねちゃん!シー、シー」
ジンゴロ:「うみゃ!(バリッ)」
恭介:「いてて。爪、立てるなよジンゴロ」
カズヤ:「知らぬが仏とはこの事だネ。たーいへんだっ…もご」
まなみ:「言っちゃダメでしょ?…そーだ!。お兄ちゃん、まどかさんに早く教えてあげなさいよ」
もちろんそうするよ、と恭介は電話を手にした。そこへ、泡を食った老人が駆け込んでくる。
春日爺:「たたた、たいへんじゃぁーー!」
くるみ:「どしたの?」
あかね:「あんまり急激に血圧上げると、お迎えがくるわよ」
カズヤ:「へーき、へーき。この間、秘密の絵本見せてあげたんだけど、“つまらん、全然こん!”とか、言ってたし」
春日爺:「そ、そんなんとは違うんじゃぁー!」
まなみ:「おじぃーちゃん、興奮しないで!。何?。何がいかぁ〜ん、のよ?」
春日婆:「恭介や。迎えに行っておやり。ほれ、カメラを持って(ギュイ〜ン)」
恭介:「え?。わ、うわぁぁぁ」
これで、解決!。全てを知っている首謀者が戻り、何も知らない邪魔者は居なくなった。超能力一家、春日家の弾劾裁判が始まる。老人が孫の不在をこれ幸いに鮎川まどかと2人っきりでサイクリングに行ってはイケナイのだろうか?。老女が策を弄して不器用な孫にあえて自力を持って頑張らせてはイケナイのだろうか?。いいえ、いいんですよ。そんな事はいいんです。
春日爺:「ぬ?。なんじゃオマエら…その笑いは…」
バンッ!!(あかねがテーブルを叩く)
あかね:「やい、じーさん!。ウキウキ・サイクリングとやらの結果を報告してもらおーかい!。こちとら必死に騙されてやったんだぞ!。調ぉー子こいて、まどかちゃんのお尻を触ったりしてないだろーな?!」
くるみ:「おうよっ!。もう少しで、餓死しちゃうところだったんだからっ!。ぐるるぅ!」
まなみ:「いくら若さを証明したいからって、まどかさんのお尻を見てなんてどーゆー発想なの?。勘弁ならないわ!」
春日爺:「ば、ばーさん…喋ってしまったんかい?」
春日婆:「すまんの、じーさんや。ほほほほ」
カズヤ:「あ〜ぁ。バレちゃったね。でも、恭兄ちゃんがおじーちゃんに冷たくしたからなんだよ。ねー、ジンゴロちゃん♪」
ジンゴロ:「うみゃ?」
まなみ:「カズちゃん。知ってたの?!」
カズヤ:「春日一族、最高能力者のボクに突破できないマインド・ウォールは無い!。きゃはははは」
あかね:「こんの悪ガキ!。ちょっと待て!。こら−!」
くるみ:「くぅ〜、じゃあ誰にミスターフライドチキンをおごって貰えばいいの。おじーちゃん?。おにーちゃん?。カズちゃん?。一体、誰のせーなのよ!」
まなみ:「それは、たぶん…」
そう。
超能力一族を翻弄してしまうほどの能力者…。
あの彼女の『きまぐれ』のせいだ。
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