『恭介…ごめん…ごめんね…』
まどかは、狂おしい感情がこみ上げてくるのを感じていた。
このまま、…それはイヤ…もう一度…
逢いたい…。
「う"!」
「!?」
「ぺっぺっ。あなた…やっぱりフツーの人間じゃないわね!。何、何者なの?!」
咄嗟の判断だった。絶体絶命の状況をわずかでも好転させ、アドバンテージを回復できるかも知れない唯一の大博打。タブーを破ってでももう一度、逢いたい人がいる。
「僕は…ちょ、超能力者だ…けほっ…」
「超能力者!?。マジで?。ホントに?。やった!。やったわ!。ついに…見つけた。ぅ、ひっく、う、わぁぁぁぁあああん」
「…ごほっ?…」
人魚は超能力者を毒味して何かにアタったようだ。噛み殺そうとした相手の前で、歓喜に打ち震え、唐突に泣きじゃくるこの生き物の精神状態は計り知れない。が、何かワケがあるのはわかった。それで十分。こんな性分。
「あ、あのサ。どういう事なのか…良かったら話してくれない?」
「うんうん。うんうんうん…」
|