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「その少女。かげろうのむこうで side B」

Chapter<10:寝ぼけて見るモノは>

 理学棟の屋上。杉教授には自分の名を呼ぶ声が聞こえ…た気がした。彼は顔に本をかぶせたまま、うつろで答える。

 「もう朝か…」

 「もうじゅうぶんに昼を過ぎています。教授」

 「その声は春日クンか…どうした?。また機器を壊したかね。気にするな。カタチあるモノいつかは壊れる。その時期が早いか遅いかという程度の現象だよ」

 「そ、そーではなく。どうして教えてくださらなかったんです?。びっくりしたじゃありませんか」

 「感情を素直に表現できるという事は1つの才能だよ。教えられるものではない。大人げないとの見方もままあるが、私は素直な学生が好きだ。よいではないか」

 「いえ、ですからそーではなく。ひろみさん。研究室にいらっしゃいましたよ。今、まど、鮎川さんとコーヒー飲んでます。僕は教授をお迎えに来たのです」

 「そうか…」

 「ええ。ですので、研究室へ降りましょう」

 「やはり降りてきたか。霊媒としての潜在能力は春日クンよりも、鮎川クンの方が強い傾向を示していたからな」

 「い、いえ、ですからぜんぜんそーではなく、ひろみさんがですね。コーヒーをご一緒に飲みましょうと」

 「なるほどコーヒーか。それは名案かも知れんぞ。呪術信仰の儀式に使われた豆で煎れたコーヒーはある種のソウルドリンクとして霊力を一時的にではあるが高める可能性がある」

 「で、ですから、ぜんぜんまったくさっぱりそーではなく」

 

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 また機器を壊した: 恭介は高価な機器をぶち壊して、まどかに叱られていそうです。

 霊媒: 降霊時に必要な触媒的性質を持つ存在なのでしょう。

 ソウルドリンク: 飲むと霊力が高まるドリンクのようです。

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