魂ここにあらず。がっくりと肩を落とし、世界の不幸をその身一身に引き受けたような表情の青年がエレベーターから出てきた。
>>結局、くるみを見つけることはできず。春日恭介…あきらめました。今18:50分。くるみは戻っているハズで、僕もまどかに連絡を入れる約束で…ただいまぁ〜ったら、もうエクトプラズムも何にも出ません。
恭介: 「え?。渡さなかった?」
まなみ: 「うん。くるみちゃんあんなに頑張ったのに…。担当の人に謝って帰って来ちゃったんだって」
恭介: 「じゃ、じゃあ…くるみ!」
まなみ: 「まって!。寝・て・る。ずっと、徹夜で頑張ってたから」
恭介: 「くるみ…どうして…?」
まなみ: 「お兄ちゃんの妹だからよ」
恭介: 「え?」
まなみ: 「くるみちゃんなりの答えなんだよ。お兄ちゃん?」
>>あの原稿があのまま採用されたとしたら…僕がそう思ったのと同じように、いや、それ以上に、くるみは提出ギリギリまで葛藤していたに違いなく。原稿を渡さず帰ってきてしまったくるみは、一生に一度あるかないかのチャンスを逃してしまったかも知れないのです。僕の妹であったことを。僕が兄であったことを………くるみは…。
恭介: 「くるみ………オレも、オレもさ。マドーカとヒカールでいいと思うんだ。うん。全然違う名前になっちゃったらヘンだもんな………」
まなみ: 「よかったね。くるみちゃん?。お兄ちゃんがファン第1号ですって」
くるみ: 「かき揚げが小さいっ!zzzzzzzzzzzzzzzzz」
瞬時に飛び退いた2人。再び近づき、くるみの寝顔をまじまじと覗き込みながら小さく吹いた。どうやら、くるみの意識は大晦日の年越しそばへ飛んだらしい。
恭介: 「…ところで。あの2人は?」
まなみ: 「パソコンの画面をどーぞ。」
やい、きょーすけ。今晩まどかちゃんと鍋するんだって?。調子こいてまどかちゃんにコタツでヘンな事したら、初詣の時にお堀へたたき込むわよ。凸(`、´X) by
あかね
おーそーじとってもつかれた。お年玉はずんでね♪。by Kazuya
恭介: 「ははは………」
>>僕の分担をあかねとカズヤが代わりにやってくれた事で大掃除は終わっており。あとは、あのヒトのところへ行って鍋…もとい、罪滅ぼしなのです。
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