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「トライアングルビーツ!オレンジの紋章」
Phase G-5<レベルCならおあずけネ>

剣士マドーカ:『呪いが仕掛けられたアイテム?』

召喚士ヒカール:『んとぉ、この鍋を買った旅の商人から聞いた話なんですけどね。ある種の呪文をかけられると、その呪文に反応して呪文を発動するアイテムがあるらしいんです。だから、呪いというよりは、一種の仕掛け魔法、ですよね?』

主人公:『ピンポーン。例えばさ、今みたいに早く鍋のお湯を沸かしたくってファイアーをかけたとして、鍋が前もって誰かに術を仕掛けられたアイテムだったりしたら、その鍋で作ったこの“アツアツ新鮮海の幸鍋”を食べちゃったりすると、遅効性毒魔法のロクショムや即効性毒魔法のテトロロドックンにやられちゃったりとかね……た、食べちゃった…』

剣士マドーカ:『そういえば、顔色…悪いんじゃない?』

主人公:『えぇ?…ウソ…』

召喚士ヒカール:『心なしか…毒系魔法の残り香が…(くんくん)』

主人公:『どどど、どうしよう!?』

剣士マドーカ:『つまみ食いするからよ』

召喚士ヒカール:『つまみ食いは許せませんよね』

主人公:『あぁ、ここ、こんなところで…こ、こんな…オレは…つまみ食いをしたばっかりに…情けない……あああ…』

剣士マドーカ:『ヒカール器貸して。よそってあげる。海老とぉ、鱈、白菜にぃ、豆腐は必須よね、それからっと、あ、椎茸も美味しそう〜♪』

召喚士ヒカール:『ホタテもお願いしまーす♪』

主人公:『あ。………………カニ!。カニ残しといて!』

剣士マドーカ:『まだまだ修行が足りないみたい』

召喚士ヒカール:『魔導はトリプルAでも鍋レベルはCですね』

主人公:『そ、そんなぁ…(ぐるぐるきゅー)』

 2人の少女は吹き出し笑う。その笑いを受け主人公も笑う。主人公の器でカニがプルプル、幸せそうに身をふるわせている。湯気が3人をつつんでいる夕べ。鍋を軽くひとつつきしたら、景気づけにアレの登場だ。プルタブをぱかんと開ける音が3つ響く。

召喚士ヒカール:『なかなかいけますね。これ(くぴぴ)』

剣士マドーカ:『70%か。結構、強そうね…(つつー)』

主人公:『ってコレ、帝国兵が持っていたお酒じゃないか。なんか仕込まれてたらどーするんだよ!?』

召喚士ヒカール:『大吟醸、3段腹仕込みぃ!。なんちゃってー♪』

剣士マドーカ:『寝て起きたら、ゲノマトランスをかけられた帝国兵みたいに、カエルになってたりするかも?』

召喚士ヒカール:『ドラゴンがいーれす〜(ひっく)』

剣士マドーカ:『アタシはオオカミね(ひっく)』

主人公:『わ、悪い冗談はやめてくれよ…(ぐびび)』

 主人公はゲノマトランスをあの後、一度も使っていない。詠唱したい局面はあったけれど、使い慣れた魔法で乗り切っていた。最近得た情報では、この世界に現存する2つの禁呪───ネクロマンスとマインドコントロール以外に、古にはもっとたくさんの禁呪があったという。ゲノマトランスがその“封印された禁呪”の1つだとしたら。そんなものを思い出したように詠唱してしまった自分とは───。もっと確たる自分でなければ今一度アレを使うことはできない、と思えていた。

召喚士ヒカール:『お燗してくらはい!。お願ひしまふ!。はい!』

<呪文をかけますか? かける / かけない>

主人公:『ファイア…』

召喚士ヒカール:『わぁーい。いたらきまふ!(ぐびび)』

主人公:『マドーカは?。お燗する?』

剣士マドーカ:『あ、あたし?。全部飲んじゃった…』

召喚士ヒカール:『酒豪れすねぇ〜。きゃははははは(ばたん)』

剣士マドーカ:『こらぁ、ヒカール。風邪ひくゾ』

 ヒカールに毛布を掛けたマドーカは、添い寝をするようにそのまま寝入ってしまった。妹の面倒見は良いが、自分の面倒見を疎かにしがちな彼女。主人公は毛布をマドーカに掛ける。おやすみ。

 明日は帝都にほど近いハマンザの街へ。帝国の圧政に異を唱える魔導士達が組織したレジスタンス───ブロウネイルと接触し、彼らからターゲットの正体について重要な情報を提供してもらう手はず。

 

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 遅効性毒魔法のロクショム: かなり緑青。じわりじわりと効いてきます。古式ゆかしい盛り毒。

 即効性毒魔法のテトロロドックン: とってもテトロドドキシン。ずどーんと一気に効きます。肝、卵巣には注意。

 鍋レベルがC: 駆け引きの極意は鍋にあり?。

 

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