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Parallel Novel
「トライアングルビーツ!オレンジの紋章」
Phase G-4<暴発!。黒い記憶…>

 帝国兵は言葉を話さず、人間の感情を持っていない。何者かに魂を操られているのだ───そんな情報が3人の耳に入る。もしも、帝国兵が“操られている人間”だとしたら───無用な戦闘は好ましくない。3人はあえて道無き道を進み、これまで以上に、帝国兵との遭遇を避けるようになっていた。

召喚士ヒカール:『いっつもお2人には迷惑かけっぱなしなんで、ここはアタシに任せてください!』

剣士マドーカ:『ヒカール…』

召喚士ヒカール:『んもぉー大勢で筋肉モリモリしちゃって、そーゆーのは女の子に嫌われちゃうんだから!。大体、なんでこんな山奥にアンタ達帝国兵がいるの?。アタシ達の行動がバレバレだってワケ?。答えなさいよ!』

主人公:『ヒカール。詠唱に集中した方がいいと思うよ。気が気じゃないって顔の人がいるからさ』

剣士マドーカ:『う、うるさい…』

召喚士ヒカール:『あ。ごめんなさい。じゃ、いきます!。掴み難きモノ、見えにくきモノ、信じ難きモノ。悠久より有り難きモノ司る愛と憎悪、光と闇、聖と邪の狭間に淀む混沌よ。我、今その大海に一滴の真実を求めん!。神獣召喚!。ジンゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっくしゅん!』

剣士マドーカ:『きゃあっ!』

主人公:『失敗する度にペナルティでユングザークが召喚されちゃう、ってのはねぇ。味方の頭数は増えるけど戦力はダウン。こいつは食うに食えないカツサンドってところかな』

剣士マドーカ:『のん気なこと、い、言ってないで、なんとかして!』

召喚士ヒカール:『あちゃー、ごめんなさい。ユングザーク!。ゲロゲロしてないで魔水晶へお戻り!』

主人公:『ゲロゲロ?…ゲ…ゲゲ…ゲノマトランス…』

───呟き自体がそのまま詠唱になり、敵兵の周囲で空間が歪み始める。主人公の記憶の奥底に眠る何かが、どくん、と鼓動した。これは───始めて使う魔法。こめかみを両側から締めてくる圧迫、その痛みに頭蓋が割れると思った瞬間、身体の芯から暴発するように解放された力───自分の身体の細胞1つ1つの隙間に射し込んだのではないかと思えるほどの閃光に包まれ、何もかもが眩んだ。

剣士マドーカ:『…カエル、バッタ、蛇、鶏、アライグマ…って?。え?』

召喚士ヒカール:『す、すっごーい♪。いつの間にそんなスゴイ魔法覚えちゃったんですか?』

主人公:『…………………………(放心)』

剣士マドーカ:『ちょ…、しっかりしなさい!』

───どれくらい時間が経っただろう。目を覚ますとそこにマドーカの瞳があった。心臓まで射抜くような剣士の眼差しではない。限りなく優しい暖海で光る宝石のような瞳。

剣士マドーカ:『何日眠っていたと思う?』

主人公:『3日くらい、かな?』

剣士マドーカ:『はずれ。8時間です。貧血起こしてそのまま寝ちゃったみたい』

主人公:『ごめん。足引っ張っちゃって…』

剣士マドーカ:『疲れているときはやせ我慢しない。いい?』

主人公:『うん。今度からそうする…』

召喚士ヒカール:『あ!。起きたんですね?』

主人公:『ごめん。心配かけちゃって…』

召喚士ヒカール:『これからは、お腹が空いてる事、前もって言ってください!。いいですか?』

主人公:『…………………うん。ありがとう、2人とも』

 倒れるほど疲れてはいなかったし、空腹でもなかった。けれど、2人がそうだと言うならきっとそうだ、と思えた。ただ、何故、自分は唐突にあんな魔法を使えたのか───詠唱したとき、ふと脳裏をよぎった記憶の断片をもう一度たぐり寄せようとする主人公。

剣士マドーカ:『エッチな夢でも見てたのかな?』

主人公:『毛…黒い…うーん』

召喚士ヒカール:『黒い髪の毛?。それじゃあ、アタシとのラブラブ・ドリームじゃなかったんですね!?』

主人公:『え"?。い、いや、ヒカールの夢だったような…』

召喚士ヒカール:『やっぱり?。どこまでいきました?。キスですか?。それとも…きゃー♪』

剣士マドーカ:『……………(くすくす)』

主人公:『あ、い、いやその、なは、なはははは』

───季節は秋を迎えようとしていた。日に日に近くなる帝都。

 

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 召喚獣の呪文: (くるみのシナリオでは)召喚士のモデルになったひかるちゃんに詠唱させる事を前提に作ってあります。『掴み難きモノ、見えにくきモノ、信じ難きモノ。悠久より有り難きモノ司る愛と憎悪、光と闇、聖と邪の狭間に淀む混沌よ。我、今その大海に一滴の真実を求めん!。神獣召喚!。ジンゴーロ!』。召喚に失敗するとペナルティでアンデッド召喚獣:ユングザークが召喚されてしまいます。すると、マドーカが腰を抜かし戦力が大幅にダウン。

 ゲノマトランス: (くるみのシナリオで)この呪文については徐々に明らかになってゆきます。

 

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