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「鮎川まどか。キミと歩く5月」
Chapter<5:卵は何か怪しいので。もし。>

 リーン、リーン、リーン。はいはい、誰よ、アタシはもう寝ようと思っていたのにって時間。電話をかけてきた相手は、「あ、オレだけど」なんて言っとります。どうしてくれましょうか、まどかさん。

 「鮎川は当分、電話に出られません。お急ぎの超能力者は…」

 「ごめん!。連絡遅れちゃって。オレさ…」

 「びちょびちょ化粧品もお断りなんだけどなぁ〜」

 「ごめんごめん。春日恭介、このとーりです」

 電話の向こうで深々と頭を下げている春日恭介を想像し、まどかは軽く吹いた。いぢめるのはコレくらいにしてっと。キミにはたんまり訊きたい事があるんだゾ。

 「アルバイトねぇ…カメラ用品欲しいっていう動機はわかるけど」

 「ほ、ホラ、カメラマンの卵としての基本というか、やる気というか。いつまでも親父の機器借りてるってのも良くないしさ。んー、あと、フィルムとか消耗品のストックがね、底を尽きそうなんだ。そ、それに、バイトするのは明日までだから…うん」

 「ふぅ〜ん」

 まどかに連絡をできなかった理由には全然なっていない。電話なんかスグできるじゃない…あ・や・し・い。怪しいゾ、春日恭介。


 「なははは。…あ、あのさ、早川ミツルって最近、どう思う?」

 「え?。なに、いきなり…」

 「どう思う?」

 「んー、アイドル辞めてから割とイイんじゃない?。ま、音楽は好きになれないけどね」

 「そ、そーなんだ。あは、ははは」

 「CDをリリースする度に送り付けてきて、マメなのよ」

 「…………………」

 「はは〜ん、わかった。恭介ってば、早川ミツルに嫉妬してる?」

 「まどか!!」

 「な、なに?。怒ったの?。冗談よ、じょ・お・だ・ん」

 「誕生日、予定空けといて。 あさっての25日!」

 「はい???」

 「ビッグなプレゼントを用意してあるんだ」

 「ビッグなプレゼントぉ〜?」

 「そう。期待しててくれ」

 「恭介。あたし、別に…なんでも…」

 「よし!。よし、よし、よしっ!。じゃあ、おやすみ!」

 「おやすみ?。ちょ、ちょっと、あたしはまだ訊きたい事が。あ!」

ツー、ツー、ツー、

 「なんなのよ…いったい。アルバイトするとかビッグなプレゼントとか………………………………………バカ!

 

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 びちょびちょ化粧品: TVanime第32話「誕生日は二度来る!?時をかける恭介」で登場してますね。

 

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