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20 ひかる目撃!合宿は危険がいっぱい
Episode 20: Hikaru mokugeki ! Gasshuku ha kiken ga ippai

キミは夏休みの学校行事で高原に行きましたとさ。合宿にはもちろん、意中の彼、彼女も一緒。さて、真の目的は?。テニスや飯ごう炊飯、キャンプファイアーで無いことは確かなのだ。

◇◇◇◇夏の特別メニュー(その4)◇◇◇◇

<まどか vs ひかる、フェロモン濃厚激辛テニス勝負>

   /第1ラウンド

   /第2ラウンド

<カプリシャス・オールナイト>

<時系列(行)追跡:夏期短縮バージョン>

学校の行事で高原テニス合宿に参加した恭介達。グループ分けテストの結果、恭介とまどかは同じAクラス。ひかるはCクラス。波乱の予感。

キャンプファイアーもそっちのけでテニスの練習に励む恭介。まどかが密着コーチ。ラブラブモード全開の2人をひかるが目撃。が、まどかは密着コーチを辞めようとしない。さぁ、大変だ。

ボートから転落したひかるを恭介が救出。が、傷心のひかるは恭介にもまどかにも拗ねた態度。

まどかが鬱憤(うっぷん)晴らしを兼ねた大立ち回りをしている頃、ひかるは寝ている恭介にキス。

朝まで飲み明かそうぜ。まどかとひかるは仲直り。

 <まどか vs ひかる、フェロモン濃厚激辛テニス勝負>

   /第1ラウンド

 鮎川まどか vs 檜山ひかる。
 互いに噛み合わない意志の確認こそがラブ・バトル開始の合図。

 “あの”まどかが、恭介と2人っきりになると大胆な行動に出ている。恭介も受け入れている。姉ではないまどか、ダーリンでは無い恭介。2人の間にはひかるの知らない空間が確かに存在しており、その空間を使って2人はラブラブ・モードに突入してる。それって、それって、それってば、つまりぃ。

 鮎:「わたしが春日君誘っちゃたの。ひかるも一緒にテニスしない?」

 春日恭介は鮎川まどかの誘いに乗った。檜山ひかるのカレーより、まどかとのテニスを選んだ。

 慌てて取り乱したら取り繕いようがない。まどかの咄嗟の機転…なんだけど、2人の空間へと、ひかるが侵入する事を許してはいない。カレーよりテニス?、ひかるの誘いよりまどかの誘い?。その回答が厳然たる事実『2人の密着状態』として、存在したままである。しかも、まどかはそれを継続しようとしている。上等だ!。

 ひかる:「いえ…」

 ひかるはまどかから、事態を明るい方向へと跳躍させるだけの回答を得られず、しかも、2人の空間から歓迎されていない自分に動揺します。彼女が欲しい答えは、現状から出てくるハズもない。

 鮎:「今のままじゃ、Aクラスで恥かいちゃうでしょ?」

 『2人の密着状態』をひかるに咀嚼させるだけのパワーはない。抜き差しならぬ状況下での情報攪乱操作。まどかが、ひかるの気持ちを察しロジックをすり替えようとすればするほど、ひかるは疑惑の淵へと落ち込んでしまう。

 鮎:「ひかる?さっきのこと怒ってるの?」

 “さっきのこと”。檜山ひかるが落ち込んだ疑惑の原因を、鮎川まどかは固定できている。恭介への想い、ひかるへの想い。どちらも大切。だから、曖昧な言葉しかかけられない。『恋するカオス』はつらいのだ。

 ひかるは混乱の中にいます。まどかのアプローチの前に、恭介があっさり墜ちちゃった現実を突きつけられた。今は感情の整理に追われてる。恭介への想い、まどかへの想い。どちらも大切。『恋する位相跳躍』もつらいのだ。んもぅ、

 ひかる:「zzzzzzzzzzz」

 寝たフリしちゃえー。

 <まどか vs ひかる、フェロモン濃厚激辛テニス勝負>

 檜山ひかるにして、姉も同然のまどかが、恭介と仲良くする事は好ましい状態、『そうあるべきカタチ』のハズだった。が、今は違う。恭介へは意地を張ってしまった。そして、まどかには…嫉妬している。

 引き続き第2ラウンド。
 レディ?

 鮎:「春日君疲れたって寝てるわよ」

 まどかは身を切る芸(偽装)でひかるを安心させようとします。このセリフには姉貴分である自分の位置を示し、ひかるの心理状態を探る意図が込められている。これを受けて、檜山ひかるは余計なお世話と取るか、心遣いと取るか、はたまた…。

 ひかる:「おつきあいしてくれる人他にもいますから」

 当てつけに本命以外の異性と遊ぶのだと意地っ張りな自白。恭介への想いを自分で汚している。『そうあるべきカタチ』を喪失した反動と言える状態。破壊行為。そう、誰かさんが得意な(ね、まどかさん)。ここまで、恭介を責めるだけだったひかるが、まどかにもつらく当たります。こんなひかるに誰がした?。まどかに向かって矢が放たれた。

 鮎:「え?…」

 まどかの急所、姉貴分としての責任感と罪悪感の間にぐっさり大当たり〜。『汚し』が切ない行為であると、鮎川まどかは身をもって承知しています。今、自らを汚そうとする檜山ひかるの状態は、鮎川まどか自身が経験した状態と重なる。

 『そうあるべきカタチ』と『2人の絆』。持ち主は違えど、消失点から放出される衝撃波は持ち主を混乱、自暴自棄へ陥れて余りあるパワーがあります。想い入れの強さは互いに甲乙付け難い。

 鮎:「…春日君…知ってるの?余計なことかも知れないけど」

 鮎川まどかは、あくまで、檜山ひかると同じ土俵に立とうとしません。同じ土俵に立つことは、彼女の願い(=大博打:第15話『鮎川まどか=恋するカオス』フェイズ5参照)が破綻する事に直結しているから。恭介と空間を共有する現場を、ひかるに押さえられてなお、姉貴分である自分を演じます。しかし、ひかるを引き留めることが出来ない。何故か?。

 まどかは恭介と共有する空間において、『2人が互いに意識しあう男と女である可能性』を否定していない。たとえ嘘でも『2人の絆』の存在を否定できない彼女の素直さが影響したミステイク。絶対などあり得ない。何が起きてもおかしくない。『そうあるべきカタチ』を消失したひかるを引き留めるだけの偽装ができない。

 檜山ひかるは鮎川まどかに、『ダーリンに密着しないでくださいっ!』と対決意思を表明しません。ひかるがまどかを徹底的に排除できないのは、トライアングルの存在に気付いているからです。しかも、トライアングル内で自分の位置が少なくとも『そうあるべきカタチ』に合致していない、時に現在などは。混乱、自暴自棄モードです。このままでは、ひかるちゃんが壊れちゃう!。

 恭:「ひかるちゃん…あぶない…」

 ひかるのセリフ通り幸せなヤツです。主語が「あゆかわぁー」だったら、そのまま湖に沈められてしまったでしょう。首に手を回しつつ(怖ぁ)ひかるが意地を張り通せなかったのは、彼女が混乱の中から恭介との絆を見つけた証。恭介の寝言ごときで『2人の密着状態』は消せない事実であるが、彼の寝言、彼が危険を省みずひかるを救出した事もまた、消せない事実。それは、確かにひかると恭介が2人で共有した時間。ひかるが欲しかった答は、彼とのふれあいの中にあったのです。春日恭介15歳、寝ながらにして、なんと罪なヤツ。

 鮎:「今夜は飲み明かそうぜ」

 ひかる:「…はい!」

 まどかとひかるの絆。姉妹同然の2人。その絆が消失の危機に晒された、よって、修復グルーミングをしあう彼女たちなのです。 まどか vs ひかる。勝負の行方はお・あ・ず・け。

 春日恭介とのふれあいから、彼女たちがそれぞれに見いだした彼との絆のカタチ。まどかがひかるを引き留めようとして引き留められなかった、ひかるがまどかを振り切ろうとして振り切れなかったのは、絆のカタチが違う、言い換えれば、それぞれに特別で価値のある絆なのだ、という表れなのですね。本研究では恭介とまどかの絆を『2人の絆』と呼称しているので、いずれ、恭介とひかるの絆にも呼称名を付記することにします。

 

<カプリシャス・オールナイト>

 宴の前には生け贄が必要です。

 鮎:「女の子1人助けられないくせに!」

 まどかもひかるの心を救えたわけではありません。そんなまどかの憂さ晴らしに打ってつけの餌食(キタカタ先輩)が飛んで火にいる夏の虫っとな(合掌)。

 まどかの抱えていたジュース缶のような物体の中身が、アルコールであった事は想像に難くない。このストーリーも含め、彼女たちはまぁ、よく呑みます。きっと、彼女たちには、20禁触媒を使って互いの防壁(=ガード)を弱め、探りを入れあう(=ジャブ)必要があるに違いありません。けれど、『あの日』まではノーガードで打ち合わない2人。自制を失わず、飲んでもガードは固めておけ。恋する乙女はレバー(肝臓)も強いのだ。


 んでは、ここらで恭介君の抜き打ち素行調査をしましょうか。
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