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19 二人の体験!禁じられた恋の島
Episode 19: Futari no taiken ! Kinjirareta koi no shima

映画:「青い珊瑚礁=The blue Lagoone」。男女の絆、幸せとは教えてもらうものではなく、見つけだすもの。リチャードとエメラインが眠りイチゴを分け合って食べるシーンは1つの回答。禁断の果実は食べることに意味がある(のか?)。

◇◇◇◇夏の特別メニュー(その3)◇◇◇◇

<不良人魚の純情風照り焼き 〜最高の妖精>

<無人島での2人、絆と予感と>

<戻らない2人、2つの安否:ひかるとまどか>

<時系列(行)追跡:夏期短縮バージョン>

前話に引き続き、夏の島に来ている4人。2人1組でボート競争。恭介まどか組は無人島へ到着。

無人島での恭介とまどか。2人だけのパラダイス空間を満喫する。が、ボートを失い帰りの手段が無くなる。

無人島で夜を迎えた2人。まどかは素直な今の胸中を恭介に語る。そして、2人はくちづけ…寸前に救出ヘリがやってくる。おあずけ。

 <不良人魚の純情風照り焼き 〜最高の妖精>

 不良人魚の胸肉を用意してください。キュンと素直な食感を持っています。淡水で洗ったのち、海辺の天日に一日さらし、夕暮れ時に崖から落として塩水に通すと味が引き締まります。照り出し用のタレは、不良人魚の鱗を適度にすりつぶし、バージンオイルと混ぜ、お肉に薄く塗ります。夏の無人島では極力薄く塗ってください。でないと、鱗に含まれた成分によってお肉の風味が奪われ、意地っ張りな味になってしまいます。んで、夜の帳が落ちたら、浜辺でたき火を起こします。焼く温度は日焼けした肌に残った火照り程度。 距離を調節してください。あまり火に近づけると、味が大胆になりすぎます。セッティング完了後はリンゴでも囓りながらお待ちください。 砂のお城が満潮で完全に崩れてしまう頃が、食べ頃です。

 鮎:「あれ…あれさ、聞かなかったことに、してくれない?。(中略)あのさ、あんな事言ったのあたし、初めてだけど、でも…でも、あんな事言っちゃったけど、“今を”、大切にしたいって、そう、思ってるんだ」

 渾身のセリフ、“今を”。

 この ”を” に、『カオスクイーン=鮎川まどか』の本領が発揮されています。

 仮に “は” を採用すると「バージンを大切にしたい」という明確なエッチ無期限お預けの沙汰になります。エッチ解禁の主導権は完全にまどかへ回収され、「じゃあ、いつ?」と突っ込みを入れたくなるほど恭介はノーチャンスになります。一方的(えーん、酷です)。

 ところが、“を” を採用し、まどかはエッチ解禁の主導権が互いに互角であると宣言します。『今を大切にしたい=心の響きに素直でいたい』。すなわち、『今はイヤかも』。恭介へルール制限をかけます。ルール制限があるということはルールに則った許可、つまり、恭介へ『まどかの心の響きを察知すればエッチ可能』権限を与えることになります。恭介はチャンスを彼が意図して作ることを許されたわけですね。OKかも知れない、NOかも知れない。今はNOでも数秒後にはOKかも知れない。グレイトだ(いいぞ、不良人魚)。

 よって、鮎川まどかが、今この瞬間のインスピレーションを最優先に大切にしている事に変更はありません。宣言後さっそく、夏の予感を素直に受け入れ、くちづけに及ぼうとします。くちづけ後の展開は禁断の空間(エッチ)へと直結していたかも知れません(恭介、残念…)。ルール制限をかけ、その実、恭介へ提供する『きまぐれ』の過激さは維持されている。

 『鮎川まどか』。

 春日恭介が人魚と見まごうほど神秘的な存在。捕まえたと思ったら指の間から零れ落ちる砂のように、すり抜けていってしまう。すり抜けたと思ったら目の前にくちびるが…。素直なほどに『きまぐれ』。恭介の心を乱してやまない最高の妖精。

 『恋するカオス』は、いつの日か恭介とエッチしちゃう予感を固定済み。また、『2人の絆』は無人島においても、99と100に挟まれた1に満たない空間、まどかと恭介、いずれにも収束しない位相で育まれています(パーフェクトオレンジ:第12話参照)。

 

 <無人島での2人、絆と予感と>

 恭:あの映画の2人、つまり、どこまでいっちゃうんだか…肝心なことを忘れてしまっている僕であり…

 無人島で2人は互いの近さに困惑した。これは象徴的な恭介のモノローグ。行き先などわかりゃしません。だから、2人は何処へでも行ける可能性を持つ。可能性の多さにはそれだけで価値がある。が、結晶化しなければ絆にはならない。

 ノンルールの遮蔽空間(無人島)で、2人が膨大な可能性に戸惑いながら、ルールを定め、共有できる価値を見いだせた事。絆を深めた事実は、『あの日』を越えて寄り添う2人の姿を予感させてくれます。

 2人の間には互いに与えあう余地がある。余地は未踏の無人島ともいえる空間。空間は絆の栄養になる価値を秘めた宝の島。つまり、、99と100の間、1に満たない空間。価値を見いだす際、余地の砂浜に2人の素直さとインスピレーションが足跡を残す。その足跡をさらってゆく波打ち際(外界との接点)のヴィジョンが2人の『切なさ』であり、また価値の1つなのです。

 2人が互いに未知なる余地を与えあい、求めあい続けるならば、絆はきっといつまでも夏を忘れない。切なさもまた打ち消すことはできない。例えば、絆は甘美であり酸い夏の果実。果実を育て食べる事を禁じられるほどに、寄り添う2人なのです。

 『2人の眠り苺』はリンゴの形をしていた(禁断の果実の象徴=リンゴ)。キミの眠り苺はどんな形をしてる?ってば、よけーなお世話。

 

 ★<戻らない2人、2つの安否:ひかるとまどか>

 恭介とまどかがボートに乗ったまま夕刻に至って戻らない。2人の安否は当然の事、檜山ひかるには「だいじょうぶでしょうか…」と心配しなければならない『もう一つの安否』があった。2人の安否について小松と八田の見解、春日家一同の見解は楽観的。その事は、ひかるが心配する『もう一つの安否』の可能性を増大させる。彼女が一瞬見せた複雑な表情は2つの安否に気を揉む、恋する乙女の表情。ひかるが2人を無人島で発見するまでの間、少なくとも2人は『2人だけの時間』を過ごしている。その事実は消せないのだ。

 鮎:「帰ろうか…。あんまり帰り遅いとひかる達、心配するし」

 鮎川まどかも檜山ひかると同じ位相で『もう一つの安否』について考えている。まどかは恭介を納得させるために、『ひかるが心配するであろうもう一つの安否』を匂わせる必要があると判断した。彼女は遮蔽空間で『2人だけの時間』を過ごしながら、その『時間』に気を揉んでいるであろう檜山ひかるの存在を忘れてはいない。

 彼女たち(ひかるとまどか)の考える位相には、彼女たちの共通認識である『春日恭介が嗜好する異性の特徴』が潜んでいる。『エピソード13視線集中!ひかるちゃん大変身』でセクシーに対する春日恭介の反応を振り返えれば、『夏・海・水着・まどか(セクシー)と2人きり』というシチュエーションだけで『男:春日恭介』が衝動行為を起こし得る『プッシュ因子』は十分に揃っている。それを彼女たちは『否定できない』のです。

 以上から、檜山ひかるは鮎川まどかを『完全なる安全パイとは思っていない』、鮎川まどかは檜山ひかるから『完全なる安全パイとは思われていない事を認識している』という相互関係が見えてきます。彼女たちは相互にこの関係をいずれ来る『あの日』まで『無いモノとして偽装』してゆく。トライアングルの内部圧力が臨界値を突破、暴発するまで、それぞれに『春日恭介との絆』を育んでしまう。たとえ相手が気付いていた、としても…。切なく優しい彼女たちの関係はもう始まっているんですね。

 

 よぉっし。次はテニスにかこつけてラブラブなのだ。 

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