<女子プロ恭介>
春日恭介が腕力に強くない事は2人も承知しているところ。このシーンでは彼女たちの気遣い連係プレーが完成。はやくも最強タッグの決めワザが恭介に炸裂します。
キーワードは『ナイーブ』
檜山ひかるは『恭介の男としてのプライド』を傷つけないよう気を配っています。顕著なのが『ナイーブ』という婉曲表現。『弱い、貧相な腕力』などと表現されたら、恭介は立つ瀬がありません。しかし、気を遣われる事自体が恭介をトホホな状態にしちゃうのです。かといって知らんぷりもできない。何とか明るい方向へ事態を収拾しようとする、ひかるちゃんの精一杯がこもったセリフ。
至近距離から繰り出されたひかるのオレンジスプラッシュ。切れ味鋭く、恭介の延髄をクリティカルヒット。リング中央、意識朦朧の恭介。チャンスだ!
一方、鮎川まどかも恭介を気遣い、『大丈夫?』と駆け寄ります。が、深刻な方向へ向かうより、明るい方向へ事態を収拾したい感覚はひかると同じ。『ナイーブ』という言葉を受けて笑い零してしまいました。連携技完成。
まどかがトップロープから華麗に舞った。恭介の薄い胸板をめがけ、オレンジクラッシュが炸裂っ!
恭介はへこみます。彼女たちの笑いは恭介にとって救いであり、同時に切ないものなのです。もはや避けられない運命であったと諦めるしかない。
柑橘系の大技を連続で決められ、あっけなくマットに沈む恭介…スリーカウントか!?。
春日恭介には自身を窮屈にしている幾つかの固定観念がありますが、鮎川まどかと檜山ひかるに破壊してもらう事で、それらは『彼自身の真実』へと置き換わってゆきます。もちろん、破壊行為は鮎川まどかと檜山ひかるに与えられた特権。今回も2人から与えられた評価が『素直な才能=春日恭介』を成長させる切欠を作りました。
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