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05 2人のひみつ、とまどいアルバイト
Episode 5: Futari no himitsu , Tomadoi arubaito

 

 「どうして好きになったの?」という質問は不作法な詮索で、大切な想い出に対して失礼。でも、知りたい、ターゲットが同じ相手ならなことさらに。ああ、でも不作法…。ああ、でもでも…。

 そんな葛藤と鮎川まどかが向き合うシーンで彼女の好意表現は演技あり、恥じらいあり、イヤミあり、不作法あり、そしてストレートあり。恭介も彼女の「きまぐれ」を拒絶することなく理解しようと賢明に自己努力します。

 また、このストーリーからabcbのマスターも登場。さりげなく、恋愛のヒントを恭介やまどかに提示してあげるマスターはKORの世界に不可欠な存在。ほとんど制作側の代弁者といったキャラだけど、若い内に良い恋をしておけよ、という象徴でもあるかな。

 今回は、

 <責め文句から不作法そして謝罪でピンフォール>

 <酔ったまどか の 取り扱い>

 <『きまぐれロジック』 フェイズ3>

 <ラストシーン研究>
 「マインドコントロール!?酔っぱらったまどか」

 <マスターのポイント研究>

 の5本立てです。


<ストーリー分析手法>

 まどかと恭介がabcbで出逢った時点から時系列を追ってみます。
  まどかには「恭介への意識を態度や言葉で表現した場合」、ポイントを与えて目安とします。安易にMP=madoka's point。
  恭介には「まどかを意識してドキドキさせられた場合」ポイント:KP=kyosuke's pointをつけます。
  さらに、abcbのマスターには「恭介とまどかの関係をバックアップした場合」ポイント:BP=backup pointを差し上げましょう。では、スタート。

 

<時系列(行)>

・恭介とまどか、アバカブで出逢う。まどかは思わずコップを落とし(MP1)、恭介は「う、嘘みたい」(KP1)。

・恭介、まどかとアバカブのマスターが古くからのつきあいだと知り、探偵まがいの行動をしてしまった自分を恥じる(KP1)。まどか、恭介にバイトしていることは内緒だよと釘を刺す(MP1)。

・マスター(BP1)「同罪だしね」とまどか(MP1)「わたしからも頼むわ」の誘いを受け、恭介はアバカブでアルバイトすることにする(KP1)。

・まどかと2人だけの秘密を持てたことを喜ぶ恭介(KP1)。まどかは恭介の着替えを覗いてしまい、慌てる(MP1)。

・小松と八田が来店。恭介、まどかとの2人だけの秘密を守るためパワーを使い彼らを追い返す。

・バイト中ラブラブ(MP1、KP1)。

・モップかけをする2人(MP1、KP1)はお尻がぶつかって、互いに照れる。その様子をマスターは微笑ましく見守る。

・打ち上げ。恭介がバイトを楽しくやれた理由は「まどか君と一緒だったからかな?」とマスター(BP1)に言われ、「え、そそんな」(KP1)と恭介動揺。「青少年からかっている暇あるの?」とまどか(MP1)。先に帰ることにしたマスター(BP1)に戸締まりを頼まれ、まどか「ラジャー」。恭介はこんな冗談を言うまどか初めてみたと驚く(KP1)。

・アバカブで2人になった恭介とまどか。まどか、ジュースばかり飲んでいる恭介に「まじめ少年なの?」(MP1)。「中学生だし」と恭介(KP1)。「まっじめー」とまどか追い打ち(MP1)。[そんなこと無いって」と窮して恭介(KP1)。「…だろうね」とまどか(MP1)。さらにひかるとのデートをすっぽかして、まどかとボートに乗っていたことをやり玉に挙げ(MP1)、「や・な・ヤツ」と恭介に追い込み(MP1)。恭介、「ちぇっ。キツイこというなぁ」と胸の中で舌打ち(KP1)。そんな恭介にまどか「ス・ケ・コ・マ・シ」ととどめを刺す(MP1)。恭介は自分が「入り込む隙間が無い」とぐうの音も出ない状況でまどかを想う(KP1)。突然、まどかは「本当に好きなの?ひかるのこと」と不作法をはたらくが「あ、ごめん」とわびる(MP1)。2人は恥ずかしげに微笑みあう(MP1、KP1)。

・バス停のベンチ。「今夜のまどかは楽しそう」と恭介想う。祭日で週バスが出てしまったことに気がつく2人。まどか「ねぇ…」(MP1)。恭介「直感していたはずで」(KP1)。まどか「今晩泊めてくれない?ひかるには黙ってるよ」と恭介にもたれかかる(MP1)。恭介、理性と欲望との葛藤に陥り大フィーバー(KP1)。

・軽井沢帰りのひかるが通りかかる。恭介、アルバイトが2人だけの秘密ではなかったことを知る(KP1)。まどかが帰ったあと、恭介まどかの言葉を懸命に吟味する羽目に。「あ、あれはいったい…」(KP1)。

 

<責め文句から不作法そして謝罪でピンフォール>

 まどか(通算MP17!)vs恭介(通算KP17!)。2人のポイントの多さは、このストーリーで2人の距離がぐぐっと縮まったことを意味している(う〜ん強引)。

 特にまどかは打ち上げシーンで一気にポイントを稼いでいます。お酒の力を借りた彼女は「だろうね…」以降、不作法に向かってまっしぐらに恭介を責める。責め文句も彼女にとっては恭介との距離を測る好意表現なのでエスカレートすると、さらにキツクなる。で、恭介はまどかの一言一言に反応するものだから余裕が無くなる。

 …「本当に好きなの?ひかるのこと」という言葉の裏には「本当に好きなの?わたしのこと」という真意がはみだしている。つまり、まどかは恭介に“選択”を迫る不作法をはたらいたわけ。責め文句はそこへ至るための伏線。

 まどかは謝ります。恭介を「いっぱいいっぱいの状態」へと追い込んで「告白めいた」発言をしてしまったこと。「本当に好き」という表現が『恋するカオス』の中で未だ固定されていない因子だと気付いたから。彼女は自分でさえ確信の持てない表現の解釈を恭介に迫ってしまったことを恥じ、一瞬、しらふに戻ったわけだね。

 ちなみに<責め文句から不作法そして謝罪でピンフォール>ってのが1つの合わせ技になっていたりする(奥義)。

 

<酔ったまどか の 取り扱い>

 「入り込む隙間が無い」

 恭介はまどかへの好意と自分の情けなさとが入り乱れる感情をこう表現。まどかから一方的にやり込められても、反論や揚げ足取りはできず、防戦一方。

 この時点の恭介には『酔ったまどかの取り扱い方』の経験が無く、下手な発言をすれば、まどかの『きまぐれ』を呼び覚まし、予想のつかないフェイズに陥るキケンがあった。が、黙して回避。

 まどかが『きまぐれ全開!』で、心の距離を測る言動や行動に出ている場合、『無理しない方が安全』というスキルを恭介が身につけた。が、このスキルは一過性のもの。まどかとの距離が縮まる過程で、『深く詮索しない思いやり』へと成長してゆく。

 

<『きまぐれロジック』 フェイズ3>

 春日恭介は包容力に欠けるものの、真っ正直にまどかの『恋するカオス』の整理に付き合ってくれ、『きまぐれ』し甲斐のある相手。鮎川まどかはこのことを確認した。つまり、心の距離計測のコツを掴んだって事。

 恭介はアバカブでの『きまぐれ』処理に手間取っていたものの、、「今夜のまどかは楽しそう」と感覚的に解答を導いている。この解答と彼の希望(まどかに体接触したい)が、次に発動される『きまぐれ』を予測させた。

 「今晩、泊めてくれない?ひかるには黙ってるよ」

 2人の心の距離は双方向から縮まったと言えるね。

 

<ラストシーン研究>
「マインドコントロール!?酔っぱらったまどか」

 「泊めてくれない?」

 このセリフは後日、幾度となく、恭介にまどかへの直接的で大胆な好意行動ををとらせ、防戦一方だった『きまぐれ』への先回り行動をさせる起点になる。それによって、恭介の「早とちり具合」も過激に。下世話に表現するなら、恭介から積極的にアプローチさせる餌撒きに成功。

 「ひかるには黙ってるよ」

 この餌も日持ちするが、ナマモノであることに変わりはないので、いずれ腐る前に答えが出る運命にある。数年後だけど。

 

マスター(通算BP3)のポイント研究

 「まどか君と同罪だしね」

 同じ罪を犯すという秘密めいて甘美な響きが効果的。このロジックは恋愛史上に君臨し続けるスタンダードでもあるね。

 「まどか君と一緒だったからかな?」

 このちょっと意地悪でお節介なパズルは恭介とまどかに互いを意識させる効果がある。軽〜く放って、深く追求しない、これが下世話にせず上品にまとめるコツ。

 店の主人が先に帰る

 2人の想いはお見通しってわけだけど、それも、まどかがマスターから絶大な信頼を得ているからこそ。


 じゃぁ次のストーリーにいってみよう。→next story !

 

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