<ポイント分析>
まどかの累積KP5には、恭介への好意的ポイントが3。時系列を追うに従い、親密で大胆になってゆく彼女の行動は、恭介への好意が徐々に高揚していったこととの、相関関係を示している。
ひっぱたいた相手を呼び止め、自分の日々の習慣を喋り、一歩間違えば追加の罰当番を言い渡されそうな状況下で恭介を助け、まず間違いなく恭介が取りに戻るであろうカバンを手にしつつ接触を図り、ころころ笑いながら「あなた」というセリフ。
1話から通算して3度目となる「あなた(この日恭介が見た夢の中での回数は割愛)」。3度目の「あなた」を英訳するとしたら、youでは無くてdarlingに近い。まどかは恭介に対し、この時点で彼女が使えうる、最も柔らかく親密な響きがする言葉を選択した。また、「どこかの不良に盗まれたら困るでしょ?」という言葉は、まどかに張られた不良というレッテル以外の面を尊重した恭介への感謝と信頼に似た感情を精一杯表現している。
一方、恭介の累積OP5をみると、優柔不断キャラと設定されている彼の性格からして以外な事に、自分の意志をしっかり主張したポイントが2。ただ、どちらも『鮎川まどかを意識した主張』であったことを見逃してはいけない。
今回の彼の主張を仮想式で表現すると、
『 人を思いやる心 + 自分自身の感動に素直 + ええかっこしぃ + (徹底はしていないが)グループ・ダイナミックスに立ち向かう勇気 = answer 』
となる。
<『恋するカオス=鮎川まどか』フェイズ1>
鮎川まどかはanswerを感じ取り、恭介への好意に昇華できる感覚を持ち合わせていた。心理カオスという培養池の中から暖かい光に向かって思わず芽を出してしまった植物の本能みたいな感覚。
この感覚は彼女の心理カオス内で、『春日恭介』という存在を固定するために必要な因子を無意識に求め、さらなる情報収集、つまり、恭介への好意行動を発動する起点になっている。
『春日恭介』として固定される運命にあり、固定以前の因子は、彼女の心理を攪乱し、カオスを成長させる。心理カオスが彼女の変動する破水線から溢れそうになる(または、溢れる)。と、彼女の恭介への好意行動にスイッチが入る。
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