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Parallel Novel
「新鮮直送!深まる季節、2人のお味は?」
Scene<5:アバカブ、午後、大学帰りの恭介>

 

 僕は朝から何も食べていなかったことに気が付き、大学の帰りに何か食べよう、食べなきゃもうダメ〜バッタリ、という状態だった。

 「いらっしゃい。ん?、どうしたんだい、春日君。すごいクマだよ」

 「こ、こんにちはぁ…。ぁれ?」

 「おぅ、これかい?。常連さんが水槽ごと暖簾分けしてくれてさ。サカサナマズっていう熱帯魚らしいよ。なかなか、愛嬌があるだろ?」

 「ホントだ、仰向けに泳いでる」

 餌をくれる人と間違えているのだろうか、その魚は、僕の影を追って水槽の中を右往左往しており。仰向けになってだだをこねている子供の…いや、もしかして今の僕のようであり。

 「こういうのは飼うのが難しいよねぇ。可愛いからって餌をやり過ぎるとすぐ死んでしまうし、ネ」

 「やり過ぎると?」

 「適度に空腹の方が丈夫に長生きするってことさ。でも、空腹過ぎてへそを曲げられちゃったら悲しいけどね。ハハハハ」

 「空腹過ぎて…」

 僕とまどかがエッチする日は、無くても平気な日(うわぁ)に限られていたから、初めての夜から1年以上経っていても、両手で数えられるくらいしか、してない!(っていばるなよ)。

 僕は、その…毎日でも、しちゃいたいんだけど、僕の生理現象をまどかに強要してしまうような事になっては、愛し合うってことにならないんじゃないかと思えており。
  だから、僕の体はいつでも『まどか欲しい状態』に置かれてるわけで、喩えるなら、水槽の前を人の影が横切っただけで、「餌ー?」と反応してしまうお腹を空かした、このサカサナマズのようであり。

 

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