「…ん」
静かな朝だった。雪が…降ってる。まだ太陽には遠い季節。
「台本…完成しなかったじゃない…」
でも、ひかるはそれで満足だった。
うぅ〜ん、とベッドの中で伸びをしてから飛び起きた。
「顔洗おっと、タオルはパリパリに乾いているっとぉ、…ん?」
ひかるは洗濯紐に掛けた覚えのないものを2つ発見した。ビキニともう1つ。もう1つの方を触ってみた。
「…濡れてるじゃん。これ、返さなくっちゃ!」
雪道を慌てて走ったので何度か転んだ。でも、カンケー無い。夢を叶えてもらう約束はしたけれど、プレゼントをもらう約束はしていない。たぶん、忘れ物!
ひかるはメインストリートから路地に入り、怪しいガイジンと出逢ったロシア民芸品店の扉をぐぃっと引いた!…ビクともしない。
「臨時休店日〜!?。んもぅ」
夢の中といい、張り紙には本当にやられっぱなしのクリスマス。でも、どのみち、あのガイジンはいるはずもないと思えていた。
だってあのガイジンは…
「おデブのサンタクローズさん。素敵なイブをありがとう」
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