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Parallel Novel

「その少女。かげろうのむこうで side A」

Prologue<少女はそこにいた>

 階段を降りるときは足元に気をつけなければ。
 うっかり踏み外したりすると大怪我をする。

 考えごとは階段を降りてからするべきだったし、はき慣れたヒールほど一段一段を確かめるべきだった。

 その瞬間は多感な時期のあの日の朝のように、あくまでも不意に、彼女を襲ったのだ。彼女の身体をしっかと抱き留めた腕の主の声が聞こえる。

 「だ、だいじょうぶかい?」

 彼女の意識は、痛みと清涼が混ぜこぜになった無数の微粒な泡につつまれていた。その泡を沸き立たせたのは想い出の深み。

 いま、自分の安否を確かめる青年は、色褪せることのない瞬間に生きる少年の姿と重なった。

 

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 ※今回も引き続き簡単な作品背景をご紹介していきます。

 はじめに: なんだかんだで【11】作目なのです。読者みなさんのイマジネーションにおんぶにだっこの空間戯法はこれまでの作品と同じです。もう慣れっこですよね(と推してみる)。本作品の主人公である「彼女」のキャラつけ・投入・絡みについては、一連の作品を書く以前に決めていました。本作品はもとより以降の作品のプロット作業は既に完了していたのです。後日、亜世琉さんからリクエストをいただき、その文面が企業秘密(?)のつもりだったプロットを示唆する内容でしたもので、作者と近い位相で「彼女」に期待している方もいるのだなぁと嬉しくなりました。みなさんが期待する「彼女」はどんな女の子(もしくは女性)でしょうか?。本作品に登場する「彼女」と比較してもらえればなお嬉し、です(^-^)ノ。

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