ああ、ヒドイ目にあった…。
僕、春日恭介は、催眠術にかけられている間、何が起こったのかも教えて貰えず、こってり3人からお仕置き(まどかにコブラツイストかけられながら、まなみに鼻割り箸されて、くるみのパワーボムを食らって、それから…えーと)されたワケで。鮎川邸でキッチンの後片付けまでさせられちゃいました。はぁ、疲れた。
でも…、今年のバレンタイン・デー。
鮎川まどかから確かにチョコを貰えた僕なのであり。
…よかった、のかな?。
「ねぇ、その曲、何ていうタイトルにするの?」
「『お砂糖少しと、ビタミンCの粉末たっぷり』」
「や、やめてよ。まどか…」
「ぷふっ。『カカオ・セレナーデ』っていうタイトルにしようと思うんだ」
まどかは新しい曲のイメージが閃いた様子で、ピアノを弾きながら五線譜にメロディーを書き留めてる。カカオの粉まみれだった彼女はシャワーを浴び、髪はまだ濡れていて。バスローブの下はたぶん、…なんにも着ておらず、上気した彼女の肌が…美味しそう…なんて思っちゃう僕は、
不謹慎なのであり…
エッチなのであり…
ふかふかのソファーが気持ちよいのであり…
なんだか…幸せなのであり…………
「?」
「zzzzzzzzzzzzz」
「風邪ひくってば。おーい、恭介ぇー、ここはジャングルじゃないんだゾー」
僕はずっと以前に見たことのある夢を見ていた。
まだ1つもチョコレートを貰ったことがなかった頃の夢。
あの階段で鮎川まどかと出逢って、
2月14日の事を考えて、
不安と期待でいっぱいな、
何度も繰り返し見た夢。
fin
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
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