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Parallel Novel
「新鮮直送!深まる季節、2人のお味は?」
Scene<2:回想、まどかの部屋、ベッドで>

 

 「ね、恭介」

 「ん、なに?」

 「あたし、来週から北海道に行ってくる。恭介の誕生日までには戻ってくるから」

 「ど、どうして…」

 「あのね、あたし、こうしていると、すごく安心してる。でね…、」

 「…?」

 「で、ちょっと不安なの」

 「な、なぜ?」

 「恭介はこんなに近くにいて…これでいいハズなんだけど」

 「北海道っていったら、と、遠いよね…」

 北海道…その地は僕にとって敷居が高いのであり。たとえ、テレポート出来たとしても、そう安々と足を踏み入れるわけにいかない。ひかるちゃん、…彼女は小樽に住んでいる。つまり、…
 まどかにしてみたら、僕が想像するより、遙かに決心がいることだったに違いなく。

 「うん。ちょっと遠い方がいいかな、と思って。だって、北海道だったら恭介のパワーでもそう安々とは辿り着けないでしょ?。恭介に逢いたいと思っても、すぐに逢えない、そんな距離に自分をおいてみたいの」

 「まどか…」

 「心臓の音」

 「………?」

 「トックン、トックン。恭介の、心臓の音…」

 彼女はこうして僕とベッドにいる時でさえ、ひかるちゃんのことを決して忘れてなんかおらず、ずっと大切に想っている。それにひきかえ、まどかの事ばかり考えている今の僕に、旅行の真意を訊ける資格なんて無く。

 

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