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あかねとさゆりのきまオレ超研究コーナー

子供じゃないの！
「アタシをセクスゥィーに演出する服ってあるかしら？」
「よーするにもっと漢（おとこ）っぽい格好がしてみたいってことね？」

「違う。女としてセックスアピールをするスェクスゥィィーの方よ！」

「じゃ、あたしが服、選んであげる」
「ホント？　やったぁー！
────って、相変わらずアホウな寸劇ね」
「ジャッジャーン！　あかねをセクスィーに演出する服はコレしかないわ。レッツ試着ターイム！」
  （♪脱衣シーンはお見せできません♪）
「いやーん。ピッタリじゃない♥」
「まあピッタリというかピッチリだけどね。この服はどーゆー基準で選んだワケ？」
「機動性重視で選んでみたわ。基本はシルクのチャイナドレス。回し蹴りの邪魔をしないよう腰まで入った両側のスリットはあかねの健康的な脚を大胆に演出。また、ドレス全体を絡めるように刺繍されたドラゴンはあかねの美しいプロポーションを緊縛するかのような力感で相手を圧倒する。この限りない暴力性とセックスアピールが渾然と同居したバトルドレスはまさにあかねが着るためにデザインされた服よ！」
「頭痛くなってきた…。さゆり、この服本編で着ることになるって理解してる？」
「もちろん。だから気合い入れて選んであげたんじゃないの。さぁー本編に行くわよ。さゆりとー」
「あかねのー」
　　「きまオレ超研究こーなー」
「とゆーワケで始まりました。今、あたし達は野外ライブの会場に向かって歩いてるんだけど、行き交うオトコ共の視線はみーんなあかねに釘付け。理由はわかるわよね？　あ、ちなみに今回の研究テーマは…」
セクスィーな服でオトコの反応はどう変わるか？
「以上！」
「歩きづらいわ。気を抜くとパンツ見えちゃう」
「スリットを押さえちゃダメ。見せ系のアンダーウェア履いてるんだからチラリ、チラリとサービスするのよ」
「できないわよそんなこと！　恥ずかしい…」
「可愛いセリフ吐いちゃって。あたしが男なら今のあかねに絶対、プロポーズしてるわ♥」
「ああもう…研究じゃなかったらこんな服着て人前を歩きたくないッ！」
「喋らないで歩きなさい。お里が知れたらチャンス逃しちゃうわよ」
「なんですと？」
  （ドンッ！）
「きゃぅ」
「おっと。へへ。お嬢さん達ぃ一緒にライブどーおー？
　←…って、何でオレのアイコンねーんだよ！」
（あ、恭介とひかるちゃんに絡んだ末にやっつけられたヤツだ。何度見てもだっさい髪型してるわねー）
「ぶつかっておいて謝罪もできないダサ髪ヘタレ虫のアイコンなんて必要ないからよ。自分を虫じゃないと思うなら、人間に解る言語でゴメンナサイと言ってごらんなさい」
（よっしゃぁぁ！　さゆり！　いけー！）
「な…。なんだとぉ？　ちょっと可愛いからっていー気になってんじゃねーぞ！」
「ちょっとじゃない、すっごく可愛いの間違いよ。やっぱり人間並みの美的感覚は持ってないのね。アンタ、自覚症状無いでしょ？　現実を撮って見せてあげるわ（パチン）。ハイ、チーズ（カシャ）。ホラ、ごらんなさい。この携帯に映ってる男はいー男かしら？」
「く、くそ。このアマ！」
「１００編撮り直してもその不自由なお顔は変わらないわ。なのに、そんな惨めで救いようのない現実に気づきもしないでガールハント？　おめでたいわね。それとも痛々しさで同情を誘う作戦なのかしら？　必死だわね」
（キツイわねー。あーあ、すっかり凹んじゃったわよ）
「おい！　連れのねーちゃん！　何笑ってんだ！？」
「あら？　形勢不利と見るやターゲット変更？　見事なヘタレっぷりね。漫画でもこの研究コーナーでも所詮、立つ瀬のないアンタの立場に慟哭でもしなさい」
「ち…。聞いてんのかよ！　ドラゴン巻き付けたねーちゃん！　何が可笑しいんだ！」
「あ、アタシか。　そーね、精神的ダメージでもうボロボロなのに粋がって吠えてるアンタが哀れで面白いから笑ってる、と思う？」
「そーゆー問いかけは可哀相よ。虫以下の知性でも理解できるようにもっとストレートな…そう、例えば、（ピー）してないでさっさとかかってきな！この（ピー）野郎！、と言ってあげて」
「ぬ、ぬ、ぬ、ぬぉぉぉぉぉ！」
「とぉ！（回し蹴り）」
「ぐはぁ」
「おねんねするのはまだ早いわよ。下僕の素質があるかどうか確かめさてもらうわ。ふんッ、ッ、ッ、ッ、ッ、ッ、ッ　どう？　気持ちいい？　気持ちいいんでしょ？　正直に答えなさい。早く答えないと次は踏み潰すわよ」
「もう気絶してるよ」
「ち。下僕としては使い道ありそうだったのに…ダサ髪ヘタレ虫っていいネーミングだと思ったんだけどな」
「ふふふ、あはははは」
「何が可笑しいのよ？」
「さゆり。アンタはやり込めすぎ。正当防衛の域を超えてるわよ。でもまぁ、カッコ良かった。腕っ節強くないのにさ。あははは」
「ふ…、ふん！　あれは─────あかねがいたから、勇気が出たのよ。せいぜいあたしは虎の威を借る狐ってところ」
「可愛ぃーい♪　さゆりはそーゆー素直なところをもっとアピールするべきよ。アタシが男だったら今のアンタに絶対惚れちゃうなー」
「い、今のは冗談よ？　謙虚な自分を演じてみるテストをしただけよ！」
「ムキになっちゃって。アタシにはわかるもーん」
「いいからッ！　ライブに行くわよ！」
「はいはい。あ、今回はこれでおしまい。たまにはこーゆー服もいいかなと思ったアタシでした。じゃ、またね」
 
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