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あかねとさゆりのきまオレ超研究コーナー

漁火恋唄!

「こほん。むかしむかし───。この漁村にさゆりという名のそれはそれは美しい娘がおったそうな」
(ドキドキ)

「その美しさはたちまち評判となり───うわさは遠くこの国の殿様の耳に入り、さゆりは殿様に召されることとなった─────」

(言い交わしたオトコがいて駆け落ちするのよね)
「ほどなくして殿様が何者かに寝首をかかれ、代わってさゆりがこの国を治めることになった────」
(ん?)
「さゆりは絢爛豪華なお城に住み、美少年達に囲まれて幸せに暮らしましたとさ」
「ちょっと」
「めでたしめでたし♥」
「めでたくするな。美少年に囲ますな」
「だってどー考えても選択の余地ないじゃない。玉の輿よ? 悲劇になりようがないもん」
「いーえ。さゆりに関係したオトコが少なくとも1人、悲劇に見舞われているわ」
「あら? 色ボケ殿様の肩を持つつもり? それともその殿様にはいそーですかと許婚を手渡してしまったヘタレ野郎の?」
「どちらでもないわ。殿様を始末した褒美を受け取りに行った先で口封じのため自分も始末されてしまった【彼】の存在を闇へ葬ろうとしてもそーはさせないよ」
「あぁ。小松整司乃助ね。いいのよヤツは。現実でも怪談でも所詮、あたしの捨て駒なんだから」
「化けて出るわよ」
「望むところだわ。幽霊の下僕が1人欲しいと思っていたところなの。あたしにとことん使役されて成仏できるんだからラッキーよね」
「で、転生した来世でも、さゆりの下僕として────ああ、ダメダメ。深く考えたら負けよ自分! 行くよ! あかねとー」
「さゆりのー」
 「きまオレ超研究こーなー」
「とゆーワケで某民宿in大島海岸で怪談話をしていまーす。ローソク交換するわね」
「ちなみにあたし達は湯上がりで浴衣着用済みです。もちろん下着は着けてません。ふ」
幽霊から恋人を守るためにはどーするか
「というお題はいいとして、今、あたし達は研究を盛り上げるため、とっておきのゲストを呼ぼうとしてるところなの。ホラ、怪談話をしていると幽霊が寄ってくるって迷信あるでしょ?」
「まぁ怪談話になってなかったけどね」
「ふふふ。2人ともオレに気づいてないんですか?」
 「誰ッ!?」
「見ればお分かりになるでしょ? 幽霊ですよ。って、見えませんよね。あはは」
「いつからこの部屋に居たの!?」
「そーですね…まぁ、女湯からです。たっぷりと目の保養をさせていただきました」
「きっと生前、女の裸を見たい一心で女湯に潜んでいるうちにのぼせて死んだヤツの幽霊よ」
「変態の幽霊か───。ん? それならアタシ達の裸を覗いた時点で成仏してるんじゃないの?」
「確かに。生前の変態的欲望が満たされたワケだからもう、この世に未練はないはずよね」
「わかった! コイツ生き霊よ。霊体だけ身体から幽体離脱してるんだわ」
「なるほど。となると、本体は何処の誰か───そう言えば聞き覚えのある喋り方よね」
「な、何言ってるんですか? オレは幽霊ですよ。正真正銘の幽霊!」
「なーに慌ててんのよ。お化けでも出た?」
「それとも他に理由があるのかしら? 例えば海岸に首から上だけ出して埋められてる身体を心配してるとか?」
「な!?」
「図星か」
「喋り方からしてこの生き霊はネオ整司の方ね。アンタの兄はどーしたの?」
「兄貴の生き霊は女湯に張り付いてます…」
「死ぬか生きるかの瀬戸際でアンタ等兄弟は一体何をやってんだか」
「その生きるか死ぬかの目に遭わせたのはあかねちゃんとさゆりちゃんでしょう?」
「民宿が同じとゆーのが問題なのよ。別部屋だからってアンタ達が一緒の屋根の下にいると思うと安眠できないわ」
「それに、こっちに来てからずぅぅぅっとつきまとわれて大迷惑してるの。ひと思いに簀巻きにして沈めたほうがよかったかしら?」
「そんな事言わずに何とかしてくださいよ。あ、そーだ。海で溺れた美少年の霊と友達になったんで其奴、紹介しますから。ジニャーズ系の水も滴るいいオトコです」
「よしッ! まかせなさいッ!」
「ちょ、ちょっと、さゆりマジ?」
「ぐずぐずしてはいられないわ。さぁ、あかね。海岸へ忘れ物を取りに、もとい、掘り起こしに行くわよ!」
「やれやれ。あ、今回の研究だけど、幽霊から恋人を守るためには、いっそ幽霊を手懐けてしまえー!という結論に達したわ。ふぅ────ばかみたい。じゃ、また次回。ばいばーい」
 
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