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あかねとさゆりのきまオレ超研究コーナー

チケット・トラブル！　＆　渚のパニック！
「あかね。何も言わずにこのチケットを受け取って！」
「２名１組海の民宿宿泊券？　大島海岸２泊３日ねぇ。女２人で行くの？」

「そーよ。そして今ならさらに海の家で食い放題の特典付きなの。不味いラーメン、砂まみれのイカ焼き、溶けたソフトクリームに代表される海の醍醐味を思う存分に堪能できるチャンスよッ！！」
「そーゆーもんを思う存分堪能するような仕様にアタシの胃はできてないの。アタシを食べ物で釣りたければもっとマシな食い放題をちらつかせる事ね。って言うか、ごく普通に誘いなさいよ」
「はしたない誘い方をしてごめん遊ばせ。お詫びと言ってはなんだけど、あたしに根こそぎ捕獲される海の美少年達を毒味させてあげるわ。活きの良いところを見繕ってね♥」
「美少年専門のトロール漁船かアンタは。しかも狩るだけ狩ってアタシに毒味さすか！」
「だって普通に誘えって言ったじゃない」
「わかった…行くよ。アンタを夏の海辺で自由に泳がせよーものなら何をしでかすかわからない。尻ぬぐいの事を考えると最初から同行した方がなんぼかマシだわ」
「決まりね。じゃ行くわよー。さゆりとー」
「あかねのー」
　「きまオレ超研究こーなー」
「とゆーワケでやってきました大島海岸！」
「ちなみにあたし達は水着着用済みです。脱衣シーンがなくてごめんなさい」
「そして今、アタシ達は海の家に向かって歩きつつ、今回の研究テーマ発表をするワケで」
「今回の研究テーマは──」
水着姿でナンパ野郎を撃退するならどーするか、大島海岸篇
「んー。ビキニだとずれるのが気になって機動性落ちるわよね。大技を決めにくくなる」
「とか何とか言ってそのビキニ似合ってるわよ。でも、はだけたワンピの方がエロチックよね。悩殺するならワンピで決まり。こんな感じで♥」
「誘ってどーする。それじゃ撃退にならないじゃない。あ、おにーさーん。ソフトクリーム２つくださーい」
「や、やぁ！」
　「！」
「ははは。待ってたんだよ！」
「色白ぷよ腹ダサ髪メガネで夏の海の絵面を冒涜するよーなソフトクリーム売りに知り合いはいないわ」
「整司の兄ですよ！　キミ、本当は広瀬さゆりちゃんっていうんだよね？」
「その溶けた脳みそに刻みなさい。人違いよ」
「つれないなー。整司から聞いたよ。さ・ゆ・りかぁ、いやぁ、可憐なキミにピッタリの名前だね。水着姿も─────ごくり」
「メガネ押さえて舐めるようにお客を見るのがアンタの客対応なの？　鑑賞料と差し引きでソフトクリームは無料に決定ね」
（海の家で食べ放題ってそーゆー事か！）
「もーソフトクリームなんてあげちゃうあげちゃう。それよりさ、ここで逢ったのはもう運命だよ。だから、いつまでも名前を騙り続ける必要なんかないだろ？」
「あかね。行きましょ」
「そーそーそれッ！　騙るにしてもあかねって名前は雄々し過ぎるよ。キミのイメージとはほど遠いね。ははははは」
「とぉッ！（かかと落とし）」
「ぎゃふッ！」
「ったく。失礼なヤツね！」
「漢らしいの間違い」
「何か言った？」
「死に逝く者に情けをかけたわね。ヤツはあかねのかかと落とし食らう刹那にあかねのビキニからはみ出た（ピー）を拝めた事で幸せのまま逝ったわ」
「はみ出てないッ！」
「どーもー！　お２人ともお待ちしてましたよ！」
　「ネオ整司！！」
「あ、ちなみにオレは浜茶屋でラーメン作りながら待ち伏せるなんて姑息なマネはしませんよ？」

「してたのね。兄弟揃って姑息なマネを…」
「無料宿泊券はネオ整司にプレゼントされたものだったの。何か魂胆があるに違いないと思っていたわ」
「なんですと？」
「まーまー、細かいことはいーじゃないですか。夏の海に美女２人！　ここは一発、ラーメンでも食べていってくださいよ。もちろん無料で食べ放題です。さぁ、伝説のラーメンをどーぞッ！」
「キタァァァッァァ！」
「こ、このくたくたした麺類は…。ラーメンと呼んでいいのよね？」
「どーです？　お味は？」
「不味いッ！　麺もスープも薬味のネギに至るまで容赦なく不味いわッ！　完璧よッ！」
「あぁでも…この気が遠くなるような不味さは…クセになりそう…」
「本来ならばお代を払っていただき、この味で800円だとぉ？　足元みやがって！　という不満を大声で叫びながら食していただくのが由緒正しい味わい方なんですけどね」
　「完食ッ！」
「胸がむかむかするわ…悪い汗も止まらないし…ぬぅぅぅ」
「あぁ、この怒りを何処へぶつければよいのやら…うががが」

「お冷やでもどーぞ。胃薬付きです。え？」
　「でゅあるおれんじすぷらっしゅすぅぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃんぐ！」
「のわぁぁぁぁっぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁ」
「波打ち際より沖、３０メートル付近に着水確認！」

「スッキリしたわ！」
「今回の研究なんだけど結論出たわね。水着姿でナンパ野郎を撃退するためには─────」
「先制攻撃！　かつ、一撃必殺！　水着がずれるのを恐れず大技で一気に決めるッ！」
「そして、一撃で屠った後、悠然とビキニを直す」
「そう！　ビキニを…あわわわ。きゃーきゃーきゃー！見るなー！」
「とゆーワケで今回はおしまい。じゃまたねー」
   
 
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