「ただいまー! いやー冬の太平洋は冷たいですねぇ。あれ? まだゲストさん呼んでないんですか? 控え室に行ってお呼びしてきましょうか?」
「アタシもだけど、さゆりも確実に───滅ぶわよねぇ。死なばもろともよっ!」
「う……。脇キャラの悲喜こもごもを分かち合い、人として大事なモノを捨ててまで、互いの傷を念入りに抉りあった僕らじゃないですか。それなのに、どーして業務的な挨拶しかしてもらえないんですか? 愛してくださいとは申しません。たとえその笑顔が本心でなくってもいーんです。営業スマイルだっていーんですよ。でも、新たな年を迎え、少しは、ほんの少しだけでもお二人には下僕を思いやるという心が───」